【早死にする職業1位】広告代理店営業の実態とは?

とあるTwitterの投稿で早死にする職業ランキング1位に「広告代理店の営業」の文字を発見しました。

長年ブラックと言われている広告代理店での働き方の実態を、現役で広告代理店に勤めており、営業経験もある筆者がお伝えしていきます。

そもそも本当にブラックなのか?

ブラックな働き方の定義は様々ですが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。

②や③については、企業によるところが大きいため、なんとも言えないですが、広告代理店の場合は、①の極端な長時間労働やノルマの部分において、非常にブラックだと言えると思います。なぜ長時間労働になってしまうのか、ノルマに対してのストレスはどのようなものかをお伝えします。

長時間労働になる理由

長時間労働になる理由としては、①短い納期での作業量の多さ、②調整の多さなどがあるかと思います。まず①の短い納期での作業量の多さについては、競合プレゼン(他社との提案コンペ)や広告制作に向けての提案、クライアントの要望も踏まえた上での再提案、制作、広告入稿までクライアントの上申期限・出稿期限などに待ち合わせるために、クライアント、社内外のチームとの折衝を何度も繰り返し、企画・提案、広告の制作、入稿作業を行う必要があります。企画・提案で言うと、1つの案件あたり、作成・チェックする企画書は合計何百枚にもなる場合があります。広告の制作や入稿までの作業については、決まった広告出稿日時に間に合うように、クライアント、制作チーム、関係会社、媒体社などの関係各所と繰り返し打合せ、確認・交渉、資料作成等が必要になります。

②の調整の多さについては、①でも挙げたように、関係者の数が非常に多いためその数の分、調整が発生します。また厄介(?)なのが、広告企画や制作についての調整は、クライアントが言語化しづらい内容やイレギュラーな契約も多々発生する点です。それにより、ただでさえ多い調整の難易度も上がります。

担当するクライアントによっては、昔ながらのクライアントが上、代理店が下という上下関係のもと、無茶ぶりをするクライアントがいたり(最近はかなり少なくなったと思います)、夜遅くや休日の飲み会や接待があったりとするため、長時間労働に拍車をかけています。

ノルマに対してのストレス

広告代理店の営業でも、当然ではありますが他業界と同じように売上のノルマがあります。広告費は企業にとって不景気の際に一番削りやすいコスト(予算)であったり、クライアント社内の経営や様々な部署の影響を受けやすい費用であるため、安定して売上を立てていく難易度は高い方だと言えると思います。また、広告代理店は各社とも競合と比べ圧倒的に差別化できるポイントが少ないことが多いため、企画はもちろんではありますが、営業の泥臭さというのが非常に重要になってきます。そういった状況の中で前年比●●●%の売上を上げる等というノルマが設定されるため、ノルマ達成に向けての様々な外部ストレスは多い職種だということができるかと思います。

さいごに

今回は、早死する職業ランキング1位の広告代理店の営業についてお話しました。ランキングの結果の通り(?)、実態も長時間労働や過度なストレスが多い仕事になっていることは確かです。ただし、これは仕事のやり方やクライアント次第ということもありますし、一方で、広告主や社内外のチームと作り上げた広告が世の中に出て、その結果広告主の売上につながった時は、この上なくやりがいもある仕事でもあると思います。大変さ以上にやりがいを感じている人が、広告代理店で働く人には多いのでは、と筆者は感じています。